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「僕は、水というものが好きなんです」

仕事場に必ず持っていくのが、「月のしずく」と伊武さんお手製の「根菜スープ」。5種類の根菜をごま油で炒めて保温ポットで仕上げます。「自分の身は自分で守るということですね」。

『ゆの里通信』Vol.2 あの人に会いたい〈俳優 伊武 雅刀さん〉

声を聴くだけで、「あっ、あの人だ」とわかる俳優さんがいます。
役者の伊武雅刀さんもそのひとり。
個性的な俳優の顔だけではなく、ドキュメンタリー番組のナレーションを務める伊武さんの声は、私たちに心地よい余韻を残します。
タモリの長寿番組『笑っていいとも』に「月のしずく」を手土産にしたほどの愛飲者。
健康には、かなり気を配っていると聞きました。
5月、東京で開催した重岡昌吾社長の「お水のお話会」のあと、宴会の席にご一緒してくださると聞いて、お酒が少々? 入った伊武さんに、
ふだんの暮らしぶりを根掘り葉掘り伺いました。

根っからの医者嫌い。クスリを飲みたくないから、 食事で治すしかないと思った。

メモを取りながら、真剣な眼差しで重岡社長の講演を聞き入る伊武さん。ふらっと入って、受付を済ませて着席する姿は、まるで一般人! でも、時折見せる鋭き眼光は、大河ドラマの千利休の役を彷彿させて、取材者は釘付けに。

 まずは、「ゆの里」にお越しいただいたのはいつでしたか?
 「木村秋則さんの映画『奇跡のリンゴ』(注:2013年)に出演した5〜6年前かな? ものすごく寒かったですね。高野山も行きましたけど、僕はどっちかというと丹生都比売神社のほうが好きでしたね。大きい神社より、そのそばにある小さな社というか。出雲大社も、そばにある神魂神社のほうが好きだなぁ」
 自称〝神社好き〟。伊武さんの口からは、次々に訪れた神社の名前が出てきます。
 「だって、気持ちいいでしょ。参道から階段を上がって、両脇の森から気をもらいながらストロークを歩く。その気持ちよさと言ったら、ありゃしない(笑)。神社に限らず、気持ちいいところが好きなんです」
 東京生まれ、御歳66歳。出演されたドラマや映画は数知れず。大河ドラマから時代劇・刑事もの、コマーシャルまで長身の姿と重厚感あふれる声色の魅力は、かなりの存在感。
 「いやぁ、僕はどうしようもない人間ですよ。貧乏の極地だったから役者になった。僕をまともにしてくれたのは〝おじいちゃん〟。一緒に暮らしていたときがあって、墓参りや寄席に連れて行ってくれたり。人間に必要な基礎は、全部おじいちゃんが教えてくれたと思っています」
 子ども時代、井戸に冷やしたスイカを取りに行くのも伊武少年の役目だったとか。
 「こんなふうに足場を支えながら井戸に入って行ってね、あの頃の井戸水で冷やしたスイカのおいしさは、もう味わえないですね。水というものが、本当に気持ちよかった」
 「月のしずく」を知ったのは、奥様が通っていらっしゃった整体の先生から。職業柄、いろいろなミネラルウォーターを飲んでいらっしゃるだろうに、うちの「月のしずく」はどんな印象だったんだろう?
 「おいしかったですよ。うん、おいしかった。おいしいって、大事でしょ? 
僕、無農薬野菜でも、まずい物はダメ。うちのカミサンがうるさくて、食品は必ず裏を見て添加物が入っていないかどうかをチェックする人。野菜もできるだけ無農薬の物を買いますけど、でもね、僕は、まずければ食べませんね」
 夫婦で台所に立ち、料理することも日常茶飯事。この日も、伊武さんお手製のビリアーニーというカレーの話しに盛り上がり、食べ歩きも含め、食にはかなりこだわっていらっしゃるご様子。
 「夫婦とも医者嫌いなんですよ。僕は、ある人のすすめで入った人間ドックで、検査の結果、血圧も尿酸値も高く、ガンマーなんとかの数値もドカドカと異常に高い! もう、病気になりそうなオンパレード。そしたら、こんなに(山をえがきながら)クスリをくれたんです。それを見て、愕然としてね、こりゃ、いかんわと! そこからですよ。クスリを飲まないでいい方法はないかと、いろいろ試して、本気で食事で治そうと思ったのは」
 結果、6㎏も体重が落ち正常に。いまの季節は、ぜんまい、こごみ、ふきなど多くの山菜が伊武家の食卓を賑わしているそうです。

水に出会うとうれしいし、 飲み物の中で、いちばん水が好き。

「僕らの仕事って、過酷なんですよ。ロケに入ったら 1₀時間トイレに行けないことはざらだし、『めぞん一刻』という映画の撮影のときなんか、寿司をひとりで7桶も食ったこともありました。1シーン1カットで行きたいとなっても、全然決まらずに、僕は一言もしゃべらず黙々と寿司を食っている役。何度もやり直して、寿司7桶ですよ。
 それに、ロケに行くと毎日弁当でしょ。そこには水が付かないんですよ。付いてくるのは、お茶ばっかり。僕は水が好きだから、なんでないんだと言うと、買ってきますっとなって。でもね、そんなところは、自動販売機もないんだね。だから、必ず仕事場には、月のしずくは持って行きます」
 飲み物の中で、いちばん好きなのは「水」と断言するほど、伊武さんにとって、水は特別であり、日常の確かな飲み物なのです。
 「水と出会うとうれしいのね。屋久島なんか、島じゅう水が湧いている。見ると旨そうだなぁ、飲み干したいなぁと思う。そうそう、くやしいのが、神社の水。神社に行ったら水で手を清めますよね。あの水も飲みたいくらい(笑)。いい神社には、必ずいい水がありますよね」
 伊武さんの中では、子どものころから、水は根本的なものだという思いがあったそう。重岡社長の講演中も、絶えずメモを取りながら話しに聞き入っていた伊武さん。
 「なるほどと思ったのは、水は絶えずまわりと影響しあっているということ。あと、分子レベルで結んだり手放したりしているんですよね。これって、役作りも一緒だなと。自分でこうして演じようと練りに練っているときは、がっちり掴んでいる状態。でも、ずっと掴んだままじゃなくて、あるときパ〜ンと手放して相手に捉えてもらったほうが、いい結果が出るときがあるんですね」
 昔はもっとわがままで、自分さえよければと思っていた時期もあったけど、「いいチームワークでやると、いい作品になると気づいたんです」。
 まぁ、これも晩年ですけどね、と苦笑いしながら、焼酎のグラスを小気味良く空ける伊武さん。
 冗談をまじえながらも、お水の働きとご自身の役づくりを、しっかりつなげて考えていらっしゃる。
 宴席の続きは、ぜひ「ゆの里」でお願いします。「天の舞」という月のしずくでつくった日本酒でお待ちしております!

伊武 雅刀(いぶ・まさとう)

1949年東京生まれ。
俳優、声優、ナレーターなどいくつのも顔をもつ。桑原茂一プロデュースのラジオ番組「スネークマンショー」で一躍話題になり、YMCによってレコードに収録される。テレビドラマ『白い巨頭』やNHKの大河ドラマ『軍師官兵衛』、映画『めぞん一刻』『奇跡のリンゴ』など出演作品は多数。